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上エッチ新幹線

第39章 桐生彩乃の事情①

「慎之助……ありがとね……」

欲なんてない。

「顔見せろよ」

慎之助の胸の中で首を横に何度も振る。

こんな無様な私……見られたくない。

「いいから見せろ。顔を上げろ」

頑なに拒み続ける。

慎之助が強引に私の顎をクイッと持ち上げた。

目が合う。

その慎之助の瞳は潤んでいた。

慎之助と私の唇はどちらともなく
吸い込まれるように重なった。

もう……親友ではいられない。

慎之助が欲しい。

欲を出す。

引き返せない。

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