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上エッチ新幹線

第41章 桐生彩乃の事情②

終点の東京駅に到着した。

お互いに手を取りその手を硬く繋ぐ。

列車を降りるとその先で
同じ列車に乗っていた
菜々子が待ち構えていた。

慎之助は私の手を気を遣いながら
やんわりと振りほどくと
菜々子に向かって歩み
話を掛けていた。

二人の会話は私の耳には届かない。

菜々子の表情がみるみる変化していく。

涙を必死に堪えているように窺える。

不謹慎だがその様子でさえ
可愛く思えてしまう。

余裕があるからではない。

私だって必死だ。

慎之助が欲しい。

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