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上エッチ新幹線

第49章 桐生彩乃の事情⑤

「ちょっと失礼しますね」

慎之助は席を立つとトイレへ向かった。

「ほら。彩乃の愛人発言のせいで気まずく
なっちゃったじゃん」

慎之助はひとつもそんな表情を
していなかった。

むしろ姉の方に違和感がある。

「慎之助はそんなことでへこむ人じゃないよ」
「おおらかな人柄もパパに似てるってわけか」

姉は事あるごとに慎之助を父親に寄せる。

「似てるところは確かにあるけど……」
「でしょ?雰囲気なんてパパにそっくり。
それでいてパパよりイケメンだし」

父親をそんな色眼鏡で見たことなど
一度だってない。

正真正銘のファザコン。

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