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兄とイケないこと始めませんか?

第4章 やめられない

壱兄に解放してもらえたのは夕方で、駅まで送ってもらった。


「明日、昼からなら家にいるから」


私が電車に乗る直前、壱兄が耳元でつぶやいた。

それはつまり、明日も来いってことですか?
さっきまでの兄とのあれこれを思い出してしまい、顔が熱い……

駅に来る途中、通りがかった公園で夜のことを思い出し少しキュッとなったのは秘密である。


「ただいまー」

まあ、誰からの返事も帰ってこないのは当たり前で、リビングにバッグを放り投げ、えあこんのスイッチをいれた。

単身赴任の父と、仕事大好きな母は家に帰ってくることが少ない。
次男の3つ年上の兄もこの家に帰ってくるわけだが、顔を合わせることはあまりない。


「シャワー浴びよ……」


今日はいろいろありすぎた。
明日は午前中学校行かないといけないし、早く寝よ。

ーーガチャ

洗面所の扉を開けたとき、一瞬にして違和感を感じた。
服が脱ぎ散らかしてある……?


「……ちょっ……もーだめだってぇ」


知らない女の甘ったるい声……

ここから早く離れないと。
焦りながらも音をたてないようにそっと洗面所から出て、リビングに放り投げたバッグを回収し、自室に飛び込んだ。

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