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兄とイケないこと始めませんか?

第4章 やめられない

「……みっ………なみ」

「……ん」


全身気怠くて、まぶたが重い。


「夏波っ」

「んー?」


しつこく呼びかける声に、重い瞼を持ち上げた。


「……風邪……ひくぞ?」


ニヤリと口角を上げた翔馬兄ちゃんの顔がぼんやりと目に入る。


「……は?…ああぁぁぁあぁああぁ」


だらしなくベッドに大の字で寝転がっていた私は端に追いやられていたタオルケットを必死に手繰り寄せた。


「まぁ、じっくり見ちゃったけどな」


なんて笑ってくるからまた恥ずかしいのなんの……。


「まっ……妹のお前になんか発情しねーよ。貧乳」


翔馬兄ちゃんはなんも言えずに固まっていた私に毒を吐き、そのまま部屋から出て行った。


「ばかっ!」


咄嗟に枕を投げたが当たるはずもなく、閉められたドアに当たって落ちた。

オナニーしてたのバレたのかな……

鮮明になってくる頭に先程の出来事が思い出され、嫌な汗がじんわりと背中を濡らす。


脱ぎ散らかした服を拾い上げ、身に付けるとガチャリと玄関の鍵が閉められる音がした。

また出かけちゃった……

そっと階段を降り、リビングに行くとテーブルの上に少しばかりのフルーツが置いてあった。


"ちゃんとビタミンとれよ。あと牛乳"


肌ガサガサって言いたいのかっ!
メモ紙をグシャッとまるめ、ゴミ箱に放り込む。

これに手を付けるのは癪だったが、酸っぱいものが食べたかったので、カットフルーツのパイナップルだけフォークでグサグサ刺して食べた。

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