天気予報の恋人
第8章 chapter 8
翔ちゃんの言葉に、何も言えなくなった
かずを、傷付ける?
どうして?
「潤はさ、…寂しいんだよ
和也と同じで
親から見放されて、たった1人で立ち向かって
…でも、和也には、お前がいる」
「……」
「何となくは知ってたと思うけどな、目の当たりにしたらさ、やっぱり…」
ツラいと思うよ?
潤が悪いんじゃない
周りが悪い
だけど俺は、かずを傷付けるかも知れないなんて聞かされたら
…どうしても、潤とかずを
近付けさせたくない
「雅紀」
名前を呼ばれて、ハッとした
「矛盾してるのは分かってるけど、
和也を、守ってやって
…潤は、俺たちが守るから」
「あのね、翔ちゃん」
俺は、決意した
翔ちゃんには、嘘はつけない
「ん?」
「俺と、かず…気持ちが一緒だよ」
「え…」
翔ちゃんが目を丸くする
「かずも、俺と同じ気持ち…持ってくれてた」
「…やっぱそうか」