天気予報の恋人
第8章 chapter 8
さっきまで、俺達がいた応接間にかずを連れ出す
ドアを閉めた途端
俺は、かずを思いきり抱き締めた
車の中で
同じ気持ちを持っていたと分かってから
…早く抱き締めたくて仕方なかったんだ
腕の中にすっぽりと納まる華奢な体
もう絶対に離さない
「…まーくん?」
いきなり抱き締められたかずが
不思議そうに俺を見上げた
「…座ろっか」
衝動的に行動した事に気付いて、俺は恥ずかしくなって
取り繕うように笑って、かずをソファーに座らせたが
ここで、少し迷ってしまった
いつもなら隣に座るけど
今日は何だか気恥ずかしくて、すぐに行かれない
だけど
「…まーくん、ここ座って」
なんて、かずから言われたから
俺に隣に座る以外の選択肢は、もう無くなった
何やってんの、俺
言った傍からかずを不安にさせてどうすんだよ
「もちろん座るよ」
そう言ってかずに微笑んでみせて
わざと勢いをつけて、隣に腰を降ろした