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天気予報の恋人

第8章 chapter 8


「わ…っ」

弾力のあるソファーが、俺の勢いで弾み

バランスを崩したかずの体が、俺の方に傾いた


「あはは、ごめんね」

その様子が可愛くて、つい笑ってしまったら

「もうっ」

なんて言って頬を膨らませる


幼い子供みたいなその仕草に目を奪われた



「かず」

「なぁに?」



「本当に…俺の事、好き?」


…途端に、かずの顔が真っ赤になった

でも

「好き、…まーくん、大好き」

きっぱりと言い切ったかずの瞳は

真っ直ぐに俺に向けられていて



いいかな

キスしても…


眠ってる時に、こっそり

じゃなくて

瞼なんかじゃなくて



伝えたいよ

俺がこんなにかずを好きなんだって事



「かず、目…瞑ってみて」

「え?」

聞き返しながらも、かずが素直に目を閉じる

少し傾けた首は「なんだろう?」って語っている


軽く閉じられた唇

震えそうになる体を抑えながら

俺は、かずの唇に自分のそれを


…そっと重ねた



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