天気予報の恋人
第9章 chapter 9
中学を卒業した俺は、通信制の高校に入学した
本当は、公立高校に行きたかったけど
…両親がそれを拒んだ為だ
高校の学費を出すつもりはない、とはっきりと言われた
事実上、両親は養育を放棄した
高校に行きたいなら自力で何とかしろ、と
学費なら出す、と先生が言ってくれたけど
そこまで俺も甘える事は出来なくて
通信制なら、学費もバイトで払えるし
登校も選べるから、むしろ良かったのかもしれない
最初に掛かるお金は、先生に借りてしまったけど
…それも少しずつだけど返済している
だって、今
俺は施設を出て、先生の家に住まわせて貰えていて
…それだけでも充分幸せなのに
俺が先生の家に入ってすぐに、まーくんまで転がり込んできたから
俺にとっては、最高な状況なんだから
まーくんは、変わらず俺を大事にしてくれていて
そしてそれはとても大きな強みで
俺も今は、自分が「ごく普通の子供」に戻れたと思っている