天気予報の恋人
第9章 chapter 9
そして
まーくんは、多分それに気付いてる
だけどそれは
誰にもどうしようも出来ない事であって
…あくまで俺の中の深層心理
本当は気付きたくなかった
あれだけの扱いをされてるのに尚、親の愛情を欲してるなんて
幼い頃の、わずかな「幸せな記憶」があるからいけないんだ
いっそ最初から冷たければ、きっとこんな感情は持たなかった
いや、でも
そうなると、俺は存在すらしなかったかも知れない
まーくんと、出会えなかったかも知れない
先生や、リーダー…潤くんとだって会えなかった
それを考えたら、多少なりとも「親」に感謝すべきなのか
…分からないよ
最近、やたらとこんな事ばかり考えてる
きっと何かが足りないんだ
全てを投げ出しても構わないくらいの、強い何かが