天気予報の恋人
第9章 chapter 9
「…着いたよ?」
まーくんの声に、ビクッと震えた
「え、あ…」
ずっと考え込んでいて、駅に着いてたのに気付かなかった
「かず、考え事?」
「んー…まぁ」
「最近、多いね」
まーくんは、俺を良く見てる
「そう?」
とぼけてみるけど
「ここんとこ、しょっちゅうだよ?」
…俺に、言えない事?
なんて、心配そうに俺の顔を見つめるから
「そう言う訳じゃ、…ない、けど」
つい、目を逸らしてしまう
「あまり、思い詰めるなよ」
まーくんはそれ以上は突っ込まず、
…ほら、間に合わないよ?
って、俺に降りるように促した
「あ、うん」
「…連絡、待ってるからね」
「分かってる、よろしくね」
ドアを開けて、足を地面に降ろした時
「あ、かず」
ふいに名前を呼ばれて
「なに?」
振り返った瞬間腕を掴まれて
引っ張られたと思った瞬間
まーくんが、キスをしてきた
今までそんな事、したことなかったのに