天気予報の恋人
第9章 chapter 9
改札口に吸い込まれていくかずの背中を見送って
から
俺も学校に向かうべく車を動かした
キスなんて、するつもりはなかった
まだ暫くは…そう言う行為はしないと決めてたのに
それこそ、2年近くも我慢してたのに
考え事をしてるかずの顔があまりに儚げで、寂しそうで
…あっという間に、それまでの我慢が消え去ってしまった
かず…真っ赤な顔をして、驚いてた
だけど、一度離れたブレーキを戻す自信は既になくて
一瞬とは言え、触れたあの柔らかい感触は
俺の中の理性を侵食し始めていて
「どうしよう…」
思わず、唇に指を置いた
あの瞬間が、…忘れられない
もう一度、触れたい
今までだって、本当は何度もそうしたかった
…それでもかずを思って、ずっと我慢してた
抱き締める度に、目を閉じて耐えてきた
相変わらず一緒に眠る時間だって、抑えていたのに
「だっせぇの…」
俺は、思わず唇を歪ませていた