天気予報の恋人
第9章 chapter 9
『18時25分に駅に着くよ』
かずからのLINE
すぐに「了解」の返事を返してから、時計を見ると
17時半を過ぎたとこだった
…のんびりしてる時間、ないじゃん!
かずはいつも、ギリギリで連絡を寄越す
何度か「早く言って」って頼んだんだけど、かずからは「どうしても、迷う」としか返ってこない
迎えに来て貰うのに、まだためらいがあるらしい
ギリギリまで「自分で帰った方がいいんじゃないか」と考えてしまうようで
むしろ、ギリギリに連絡くる方が焦るんだけど
…どうにも、そこまでは思い付かなくなるみたい
そんなとこも、かずらしいっちゃかずらしいけど
「翔ちゃん、かず迎えに行ってくるよ」
リビングで新聞を広げている翔ちゃんに声を掛ける
「あ、…もうそんな時間か」
翔ちゃんは時計を見上げてから、新聞を畳んだ
「運転気を付けろよ」
「分かってるって」
車の鍵を指に引っ掻けて、俺はかずを迎えに行くべく
玄関を後にした