天気予報の恋人
第9章 chapter 9
朝、かずを降ろしたのと同じ場所でハザードを焚いて車を停めた
…そう言えば、朝
キス、しちゃったんだ
どんな顔で、かずを迎えればいい?
何もなかったようにする?
…かずは、どんな顔で来る?
多分、今日はいつも以上に迎えを迷っていたと思う
核心はないけど、…想像がつく
だからこそ、俺は自然体を作らなきゃいけないよね
そう考えて、1つ大きな深呼吸をした
改札口から、たくさんの人が出てきた
それは電車が到着したのを示していて
その人の群れの中、かずの姿を探す
…あれ?いない?
段々と人が減って来たけど、一向にかずの姿が見当たらない
時間からして、今の電車に間違いないはずなんだけどな…
だけど、10分経ってもまだ姿が見えない
連絡してみようか、とスマホを取り出して
何気無くもう一度改札口に目をやったら
俯いて、どこか悲しそうな顔のかずがそこにいた
…かず?
何が…あった?