天気予報の恋人
第10章 chapter 10
「何…?かず」
「顔、見たい…」
そう言ったら、まーくんはそっと俺の指を剥がしてそのまま片手で包み込んで
…自分のシャツを捲り上げたと思ったら
俺の目許をそれで優しく拭ってくれた
「…ごめんね」
まーくんが、謝るけど
何に謝ってるの?
謝る事なんて、何もないよ?
もしかして…
また、…キスした事を謝ってるの?
「まーくん…」
涙を拭ってくれたおかげで、今度は顔が良く見える
「もう一回…して」
恥ずかしくて仕方ないけど、勇気を出した
「え…」
まーくんが、何?って顔してる
だってね、謝った理由がキスの事なら
言葉で咎めるよりも…この方が伝わるでしょ?
「もう一回…キスして」
…顔が熱い
こんな事言うの、初めてなんだから
これ以上の言葉なんか見つからないし
もう、恥ずかし過ぎて…言えない
「嬉しい…かず」
「え…」
「キス、するよ?」
まーくんは嬉しそうに目を細めて、再び唇を俺のそれに
…優しく重ねてきた