天気予報の恋人
第10章 chapter 10
「このままが、いい」
「ふふ…いいよ」
家に向かって走り出した車
まーくんは、俺が望んだ通りに
右手はハンドルを持ってるけど、左手は俺の右手を握ってくれている
腿と、まーくんの手にサンドイッチみたいに挟まれた自分の手
これだけで、さっきまでの苦しい気持ちが少し和らいできた
だって、まーくんの手は
まだ俺より大きくて
…暖かくて
凄く、優しい
何気無く見た、まーくんの横顔に
思わずドキッとした
したんだよね…
この人と、「大人の」キス
しかも、最後は自分からねだってしまって
…思い出したら、急に恥ずかしくなった
一気に顔が熱くなって
握られた手まで、恥ずかしく感じて
外そうかと少し動いたら
…ギュッと絡めたまーくんの指に力が入った
「どうしたの?」
目は前を向いたまま、まーくんが尋ねるけど
「…離さないよ?」
俺が何か言う前に、まーくんはそう言って
また、その手をギュッと握り直した