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天気予報の恋人

第10章 chapter 10


「どこに行くの?」

潤くんに会うのは久し振りだから、少し嬉しかった

今は、気を紛らわす事をしていたいのもあるし

「さあ?…智、何も言ってなかったんだよなぁ」

「…俺は運転手かよ」

まーくんが、ブツブツ言ってるけど
行かない、と言う選択はまーくんにも元々ないらしい


「明日、9時前には来るらしいから」

「はい」
「へいへい」




「…疲れただろ?風呂湧いてるから

今日は早く、…休みなさい」


労るような先生の言葉

「かず、そうしなよ」

被せるようにまーくんも言うから

俺はそれに甘える事にした





ゆっくりと湯槽に浸かってた時

「かずー、タオル置くよ?」
ドアの向こうからまーくんの声がした

「あ、はーい」

俺が答えたのを聞いて、脱衣所から出ようとしたまーくんを

「待って!」

思わず呼び止めた

「なに?」

そのままドアの向こうのシルエットが立ち止まる



「今日…一緒に寝て」

まーくんが、固まってしまったのが
擦り硝子の向こうでも、…分かった


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