天気予報の恋人
第11章 chapter 11
…しまった!
薬を探す事に気を取られてドアを閉めるの忘れてた
入口にもたれて、腕を組んで立ってる翔ちゃん
「いや、別に…ちょっと探し物してた」
「入っていい?」
「あ、うん…」
断る理由もないし、ましてここは俺の家じゃない
「どしたの?翔ちゃん」
…眠剤の事は知られたくない
それでなくても、かずの事、潤の事でずっと悩まされてるのに
俺なんかの事まで、心配掛けたくない
翔ちゃんが、ふとベッドに腰掛けた
「和也の事…」
…そうだよね
かずに気を使って聞かなかったけど、翔ちゃんが凄く心配してるのは当たり前な事
「うん…かず、駅でお母さんに会ったって」
「そっか…」
俺のその一言で、何かを察したような翔ちゃんは
「…お前に、任せるから」
そう言うと
「今日は一緒に寝てやるんだろ?」と
俺の肩を叩いてから
部屋を出て行った
翔ちゃん…もしかして気付いてる?