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天気予報の恋人

第11章 chapter 11



かずへの、膨らんでいく俺の気持ち

翔ちゃんが、何を考えて「任せる」って言ってくれたのかは分からないけど

今、かずには俺が必要で

…もちろん俺にも、かずはとても大切で




って、そんな事考えてる場合じゃない

早く眠剤を探さないと…


もう一度、引き出しを開けて
中を探る




「まーくん?」


振り返ると
濡れたままの髪をタオルをで拭きながら
不思議そうな顔をした、…かずの姿


「あ…ああ、出たんだ」

「うん、…何してるの?」

いつから見てたんだろう
全然気づかなかった…

「え…あ、うん
捜し物…」

引き出しをそっと閉めて、かずに近寄った


「髪…乾かさなきゃ風邪引くよ」

かずからタオルを取り上げて、ガシガシと拭いていくと

「もうっ!…自分でやるから、まーくんお風呂行ってよっ」

顔を赤らめて、両手で抵抗した


「じゃあ…入ってくるから、ちゃんと乾かしなよ?」

タオルをかずに返しながら、頭を撫でる

「はぁい…」

かずの甘えたような返事に思わず笑いながら、俺も風呂に入るべく、部屋を出た


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