テキストサイズ

天気予報の恋人

第12章 chapter 12


謝る事が、悪いわけじゃない

でも、悪くもないのに「自分が悪いからだ」と思ってしまうかずの

言ってしまえば「洗脳」のようなものを
早く解いてあげたい


…何て頭では、カッコいい事を考えられるのに


体は正直なままで

イッた余韻の残る赤みを帯びたかずを目の前にしてるのは
…かなりツラいものがあるのが現実


かずを抱き締めながら、時々顔を横に逸らして
細く息を吐きながらそれを誤魔化してると


「まーくん…」

「ん?」

「…まだ、終わりじゃないでしょ?」


赤く染めた顔で、だけど目は俺をじっと捉えていた

「俺だって…知識くらい、あるんだからね」

無理しておどけたフリ

俺に触れてる指は小さく震えてるくせに
その目だって、不安を隠しきれてないくせに


「もー…煽るなよ」

だから俺も、わざと揶揄うように返した

少しでも
かずの気持ちを楽にしてあげたくて




「俺は、もう平気だから

まーくんなら、…怖くないから」




ストーリーメニュー

TOPTOPへ