天気予報の恋人
第14章 chapter 14
川に向かって歩きながら、リーダーが歌っている
確か、これはあの時聞いた曲
本当にあの頃に戻った気分だった
「もう、離せよっ」
しっかり手を握られた潤くんは、相変わらず文句を言ってるけど
「ほら、潤も歌え~」
リーダーは気にする事もなく、楽しそうに歩いている
違うのは、潤くんの方が背が高くなった事
それなのにやっぱりリーダーが大きく見えるのは
何でなんだろう
俺とまーくんは
あの頃と同じで、俺の方が小さい
体つきも、なかなかガッシリとはならず
嬉しくないけどまさに
"華奢" としか言えなくて
頑張って食べてるつもりだし、そこそこ体も動かしてるのに
まーくんは「そのままでいい」なんて言うけど
潤くんだって、俺と同じ年なのに肩幅もあって
男らしい体つきしてる
「ずるい…」
思わず俺は口に出していた
「え?」
まーくんが振り向いた
「…俺だけ小さい」
そう呟いた途端、まーくんが吹き出した