天気予報の恋人
第14章 chapter 14
まーくんに、ギュッと手を強く握られる
「汗…っ、汚いから、離して」
本当は離したくないくせに、ついそんな言葉が出てしまった
だけどまーくんが、それを聞いてくれるわけはなくて
そのままグッと体を引き寄せられた
「…俺は、かずとくっついていたい」
「え…」
「今は、周りに誰もいないよ?」
まーくんが悪戯っぽく笑う
恥ずかしいけど、やっぱり嬉しい
「キス、したい」
勇気を出して、まーくんを見上げた
覚えてしまった甘い時間は、そう言う「オトシゴロ」のせい
欲しくて欲しくて、堪らないし
…我慢できない
まーくんは多分それを分かってる
俺より先に、少し大人になってるんだから
俺の今の感情は理解してるはず
まーくんが、引き寄せた腕を自分の背中に回して
真正面から俺を抱き締めてくれた
顔を上げれば、すぐに唇が触れるくらい近くに
まーくんの顔
俺は照れ臭いのを必死に隠して、目を閉じる
そしてそのまま、少し背伸びをしてまーくんの唇に
自分のそれを押し当てた