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天気予報の恋人

第18章 chapter 18


「ごめん、かず…本当にごめん」

まーくんも、涙で顔がぐちゃぐちゃ


見たら、先生達も涙ぐんでて
…ここにまーくんがいるのが、嘘じゃないんだって理解できた


だってこのぬくもり、変わってない

俺を呼ぶ声も、泣くと濁音が凄くて変な言葉になるところも
抱き締める腕の強さも、変わらない


「まーくん…っまーくん!」
俺も、成人したとは思えないくらい
まるで子どもみたいに泣きじゃくった

泣いても泣いても、泣き足りないくらい泣いた


いい加減、先生に「泣き止め」って怒られて
ようやく顔を上げたけど

俺もまーくんも、酷い顔

思わず見つめ合って、吹き出して
一緒に顔を洗いに行った




「帰って、ゆっくり話せ」
…って先生達から言われて、
まだ半分、信じられない俺は
まーくんがいなくならないようにとまーくんにしがみつきながら、家を後にした



アパートの鍵を開けて、俺が先に入る

そして靴も脱いで、まだ玄関の外に立つまーくんに


「おかえりなさい」
笑って、手を差し出した



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