天気予報の恋人
第19章 chapter last
「学祭の準備がある」と嘘をついた日
かずはすぐに、それを嘘だと見抜いていたんだよね
自分でも気付かないくらい一瞬の表情を、見逃さなかった
なのに、何も追求しなかったのは
…怖かったから、でしょ
それも分かってたけど、あの時はかずが聞かない事を幸いに思ってしまってたんだ
あの日、俺は翔ちゃん、リーダーと一緒に実家に行っていた
緊急事態だと、焦った様子で翔ちゃんから連絡が入ったんだ
どこからの情報なのかは今も分からない
ただ、俺とかずが二人で暮らし始めた事を
かずの両親が知ってしまったと聞いた
その事で、関係者全てに迷惑が掛かりそうな勢いだと……
あれだけかずの存在を否定して
ネグレクトまでしておいて
何故あの人達は口を出してくるのか、俺には本当に理解出来なかった
だけど、翔ちゃん達が密かに調べていた、かずの家族環境や両親の真の姿を知って
…離れていた糸が、少し繋がった