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天気予報の恋人

第19章 chapter last


かずが生まれた頃は、確かにとても可愛がられていた

誰の目から見ても、幸せそうな家族に見えたらしい

だけど、その歯車が狂ったのは
父親が職を失った時

日々の生活がギリギリで、かずに八つ当たりするようになった

気分次第でいきなり叩かれたり
かとおもえばやけに優しかったり

幼いかずの心が悲鳴を上げるのに、時間はかからなかった

段々表情がなくなり
話す事も減り、自分を守る為に殻に閉じ籠る

そうこうしているうちに、住んでいる場所の家賃滞納から
逃げるようにして新しい土地に来たのが、かずが5年生の時だった


人と接する事が出来なくなってしまったかずは

母親の知人の紹介で知った精神科医に、かずを「障害児」として認定させた

そうすれば、多少なりとも「手当」が支給されるから

その精神科医は、母親と不倫関係にあり
かずを「重度の精神疾患」と言う、偽りの診断書を作り上げ、手帳を取得させた

勿論、許されるものではない

だけど、色欲と金に目が眩んだ母親には
分かってなかったんだ

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