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天気予報の恋人

第2章 chapter 2


「かず!!!」

しまった!と思った時には

もう、遅かった


俺は何も考えず、深みにはまってもがく

かずの許へ飛び込んだ


「バカ!雅紀!待てって!」

リーダーの声が聞こえた気がしたけど

かずを助ける事にしか、頭は働いてなくて

浮き沈みを繰り返すかずを、何とか掴まえた途端


…しがみつくかずを支えきれず

俺はかずを抱き締めたまま

一緒に沈んでしまった




ヤバイかも…

そう思って思わずギュッと目を閉じた時

力強い腕に引き寄せられて

俺とかずは、程なくして

岸辺に引き揚げられていた


水を飲んでしまっていて

むせ込みが収まらない


「バカか!」

リーダーが俺の頬をひっぱたいた

「やたらめったら飛び込んでも溺れるだけだろうが!」

横では潤くんが泣きじゃくっている

「かずは…っ?」

「無事だよ」

その言葉に肩を撫で下ろして、すぐにかずの姿を探した


びしょ濡れのかずは

真っ青な顔をして、…膝を抱えてガクガク震えていた

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