
天気予報の恋人
第2章 chapter 2
かずが可愛い
何をするにも一緒じゃなきゃダメで
どこに行くにも手を繋いで
寝る時も
ギュッてしなきゃ寝れなくて
俺だけに懐いてるかずが
可愛くて仕方ない
今も「落ちそうで怖い」って
泣きそうな顔をするから
釣り竿を持つかずを、後ろから抱っこしてあげている
「まーくん、絶対離しちゃダメだからね」
「大丈夫だって」
必死な声に、顔が綻んでしまう
でも
かずは、…泣かない
時折、「泣きそうな顔」はしても
絶対に泣かないんだ
笑うようにはなった
心からの笑顔はまだ見られないけど
「あ!まーくん!竿が動いてる!」
「えっ…あ!」
突然の慌てた声に
ハッとして顔を上げた
両手で必死にしなる竿を握っている
「網取ってくるから、しっかり捕まえてろよ」
「え、離れないでよ!怖いよ!」
そう言われたけど
網まではほんの数歩だ
そのくらいなら大丈夫だろうと、かずから離れた瞬間
「あっ!!」
抵抗を見せた魚がグイッと引きを見せて
かずは川の中に引っ張られていた
