天気予報の恋人
第3章 chapter 3
僕には、まーくんがいればいい
でも
今、まーくんはここにいない
後で迎えに行くって先生が言ってたけど
後で…っていつ?
本当に
まーくんは僕と一緒にいてくれるの?
カチャリ、とドアが開いた
「ごめんね。待たせて…あ、ジュース終わってたのか」
おかわりする?
空っぽのコップを持ちあげて、先生がニコニコして僕を見た。
すごく美味しかったのに
何でだか、もういらない
僕が首を振って、それを伝えたら
「飲みたくなったら、言うんだよ」
そう言うと
テーブルを挟んだ反対側のソファーに、先生が座った
「和也くん」
名前を呼ばれて、僕は思わずビクッとした
それを見た先生は「怖くないから大丈夫だよ」って、ちょっと笑ってた
「後で智…いや、リーダーが来るけど、いいかな?」
来るのは何となく予想してた
嫌じゃないけど
僕が知りたいのは、これじゃない
「まーくんは…?」
僕の小さい声は、ちゃんと先生に届いてて
「大丈夫。リーダーが来たら、迎えに行くよ」
良かった
まーくんといられるんだ
ちょっと泣きそうになったけど
…涙は出ては来なかった