天気予報の恋人
第3章 chapter 3
後部座席に一緒に座った俺の手を握って
それを離そうとしないかずがいる
たった数時間しか離れてないのに、その離れていた時間は
俺にとっても、やけに長く感じていた
翔ちゃんが、親に話してくれたおかげで
かずと、まだしばらくは一緒にいられる
それはすごく嬉しい
だけど
純粋にそれを喜んで良いのか
俺には、まだ分からなかった
翔ちゃんのマンションに着いて
荷物を言われた場所に置いてきたら、かずとソファーに座るように言われ
二人で並んで座った
反対側に、翔ちゃんとリーダーが腰掛けると
かずの目が
不安そうに揺れる
俺の手を握っているそれに
ギュッと力が入った
「話を、聞いてくれるかな」
翔ちゃんが
ゆっくり、言い聞かせるように
口を開いた
「大事な、事だから…」
思わず息を飲んだ
こんなに真剣な顔の翔ちゃんを
見た事がなかったから
だけど
不安なのは俺じゃない
かずの方だ
今度は
俺が
かずと繋いだ手に
少し、力を籠めた