天気予報の恋人
第4章 chapter 4
翔ちゃんの家に着くと
かずはすぐに笑顔になる
「まーくん、今週は何かあった?」
そして
毎回、俺の事を聞きたがった。
「別に特にないけど…あ、旨いクレープのお店見つけたんだ!」
かずの顔が曇る
いつも、そう
聞きたがるくせに、俺の話を聞くと
ふて腐れた態度になるんだ
俺が、友達と行動するのが面白くないらしい
…普通なら、この時点で面倒になるんだろうけど
俺からしたら
こんなに素直な感情を出すようになったかずが可愛くて仕方ない
「今日、後で連れてってあげるよ」
「ホント?!」
途端に笑顔になる
その笑顔が
最近苦しい
何だろう
嫌なんじゃない
かずが笑顔を見せる度にドキドキして
胸が苦しくなる
良く分からない感情が
頭に沸き上がってくるんだ
さすがに中学生になったら
外で手は繋がなくなったけど
家の中では
相変わらずくっついて離れないかずに
時々ドキッとする事が増えた
何気無い仕草に
目を奪われるようになった