天気予報の恋人
第4章 chapter 4
「…和也くん、何かあった?」
先生が僕を見て
いきなり言った
今日の事は
言わなきゃ分からないはず
「翔ちゃん、どうして?」
代わりにまーくんが聞いてくれた
「んー…何となく?」
言葉を濁した言い方
それは
僕に気を使っているから
先生は
いつも、すごく言葉を選ぶ
「外が…怖くなって」
口を開いた僕を
見守ってくれる6つの瞳
「分からないけど…まーくんと出かけたのに、急に怖くなった」
隣にいるまーくんのシャツを掴む
勇気を貰いたくて、その手にギュッと力を入れた
「…僕も、何でか分からない」
「そっか。和也くん、分かったよ」
先生は「もう、いいよ」って微笑んで
僕の肩を軽く叩いた
「はい…」
先生とリーダーが
僕達の前に座った
そして
何だか二人、目配せをした
「なぁ…和也」
「はい」
「潤、覚えてる?」
「…潤、くん?」
僕は頷いた
忘れるわけ、ない