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天気予報の恋人

第5章 chapter 5



最近ずっと

燻ってた自分の気持ちが

今になってはっきり分かってきた


俺がかずを守りたいのは

保護欲じゃなかったんだ

そんな、立派なものじゃなくて



学校には女の子もたくさんいるし

なんなら、告白だってされた事もある

だけど、付き合いたいとか何も思えなくて

そう言う時、思い出すのは

…かずの顔




「守りたい」と言う気持ちは本当だった

可哀想だと言う同情もなかったわけじゃない


だけど

顔を見るうちに

自分の中で、かずの存在の意味が変わって行ったんだ




はっきり言って

高校生なんか、欲の塊だ

好きな子が目の前にいたら

我慢なんて出来るわけがない


まして

傍にいて欲しいなんて言われたら



かずは、やはり寝ぼけていたのか

再び眠りについている

そのあどけない寝顔を見つめた





…ごめん、かず



俺は、気付いたら

かずの唇に

自分のそれを、触れ合わせていた

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