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天気予報の恋人

第5章 chapter 5



自分から触れ合わせたくせに

その柔らかい感触に我に返って、慌てて顔を上げた



どうしよう

…やっちゃった

かずに、キス



しかも男の子で

…まだ中学生で



何だか自分がすごく

悪い奴に思えてしまって

抱きついて眠るかずの腕を離すと

そのまま脱力して、ベッドの下に座り込んでしまった



「はは…」

座り込んだ膝に頭を着けた


笑える

何やってんだ俺…


これから、かずにどう接すればいいの?

今までみたいに

手を繋いだり、一緒に眠るなんて

出来ないよ…



何も知らないかずは

純粋に

俺を慕っているのに



…でも俺は

かずから離れるなんて事なんて

できるわけないし

絶対に、したくない



ベッドの上で、眠るかずは

また無意識に、小さく、丸くなっている


かずの本当の笑顔を

感情を剥き出しにした表情を

俺には

引き出す事が出来るんだろうか…


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