天気予報の恋人
第5章 chapter 5
「…すぐ、戻ってくれる?」
縋るように、ベッドを降りた俺を見たかずに
「当たり前でしょ?だから、先に寝てな」
安心を促すように、にっこり笑いかけた
…やっぱそうだよね
昂った自分を落ち着かせて、ドアを開けてみたら
案の定、かずはベッドの上で
膝を抱えて座っていた
「かず…」
「…ごめんなさい」
何も言ってないのに、かずが謝る
「寝てなって言ったのに…」
「ごめんなさい…」
「謝らないでいいから」
ベッドに上がり、俯く頬を両手で包み込む
親指で、目尻の涙を拭ってあげたら
かずが、おずおずと顔を上げた
俺を見る目が潤んでいて
そこに無意識に吸い寄せられる
気が付いたら
俺は、かずの目尻にキスをしていた
ハッと気付いて、慌てて唇を離す
かずが、きょとんとして
俺を見つめた
「まーくん…?」
「あ…っごめん…っ」
何やってんだよ
あっさり欲望に負けてどうすんだよ…
最低だ、俺…