エロース …ときめき探求物語
第10章 感情入れちゃダメっ!!
『……あまり…… よろしくないですね…』
重い空気が
部屋のなかに漂う
8月
夏休みのまっさかり…
ここに来るまでに電車を乗り継いできたけど…
可哀想だったな…
健太は私と手を繋いで歩きながらも
視線は家族で
楽しげにお買い物する
他の家族ばかり眺めてたもん…
『つまり…もうあの人の身体の機能は回復は…』
『はい。9割りがた難しいでしょう。脳の身体への指令を出す回路が、今回の梗塞で受けたダメージ大きくて…』
ホント
身体の弱い人だった…
でも優しくて穏やかな人だったから
私は恋に落ちてしまった…
恋に落ちて健太を授かった。
あの人は
身体が弱いから
すぐに仕事を休んでしまい
なかなか定職に就けなかったけど
その分
私が派遣やパートで仕事して
切り詰めたらば
なんとか生きていけた…。
でも
あの人は去年
やっと見つけた職場で倒れた
脳梗塞…
2回目だった…
14歳も年上の夫…
もう二度と自分の力で歩くことも
健太を抱っこすることすらできない…
自分の意思を言葉にさえできない…
動くのは左手の肘から先だけ…
こんな宣告を受ける予感はしてた。
健太には
聞かせたくなかったから
今日ここに来る前にデパートで
以前から欲しがっていたゲームを買ってあげた
今、1階の喫茶コーナーで遊ばせている
………沈黙するしかない
………受け入れるしかない現実。
『…潮さん。大丈夫ですか?』
『まだ可能性はあります。経済的な負担はありますが… ぜひ先日紹介した、横浜の機能回復センターで…』
『それは少し… せめて2、3日考えさせてください。あまりにも …その…(お金が………)』
私は言葉を飲み込んだ…
重い空気が
部屋のなかに漂う
8月
夏休みのまっさかり…
ここに来るまでに電車を乗り継いできたけど…
可哀想だったな…
健太は私と手を繋いで歩きながらも
視線は家族で
楽しげにお買い物する
他の家族ばかり眺めてたもん…
『つまり…もうあの人の身体の機能は回復は…』
『はい。9割りがた難しいでしょう。脳の身体への指令を出す回路が、今回の梗塞で受けたダメージ大きくて…』
ホント
身体の弱い人だった…
でも優しくて穏やかな人だったから
私は恋に落ちてしまった…
恋に落ちて健太を授かった。
あの人は
身体が弱いから
すぐに仕事を休んでしまい
なかなか定職に就けなかったけど
その分
私が派遣やパートで仕事して
切り詰めたらば
なんとか生きていけた…。
でも
あの人は去年
やっと見つけた職場で倒れた
脳梗塞…
2回目だった…
14歳も年上の夫…
もう二度と自分の力で歩くことも
健太を抱っこすることすらできない…
自分の意思を言葉にさえできない…
動くのは左手の肘から先だけ…
こんな宣告を受ける予感はしてた。
健太には
聞かせたくなかったから
今日ここに来る前にデパートで
以前から欲しがっていたゲームを買ってあげた
今、1階の喫茶コーナーで遊ばせている
………沈黙するしかない
………受け入れるしかない現実。
『…潮さん。大丈夫ですか?』
『まだ可能性はあります。経済的な負担はありますが… ぜひ先日紹介した、横浜の機能回復センターで…』
『それは少し… せめて2、3日考えさせてください。あまりにも …その…(お金が………)』
私は言葉を飲み込んだ…