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エロース …ときめき探求物語

第10章 感情入れちゃダメっ!!

横浜にある
機能回復センターは
脳梗塞をはじめとする脳疾患により
運動昨日が麻痺した重度な患者に
継続治療と機能回復のための
リハビリを行う施設だが
保険の適用が認められないため
経済負担が半端ではない…


所詮イチ派遣社員の
女手ひとつでは
どうすることもできない…よね…

富貴子は
胸を痛めながら
1階の喫茶コーナーでゲームに夢中になる
健太のちいさな背中を見つけた

『ケン!!帰るわよ。』
富貴子の声を聞いて
『ママっ!!』って駆け寄る健太は
まだ幼い


―――これからどうしよう………

富貴子は追い詰められていた。


………………
そんなタイミングで
人は人生の大きな分岐点に
遭遇するのかもしれない
………………

富貴子は
健太との帰り道
不意に声をかけられたのだ

富貴子に声をかけた男2人は
AV作製会社の男たちだった。
人妻ブームにのっかり
素人の既婚女性を
専属AV嬢を町で探していたのだ。

『大阪にいる素人の美人な奥様を探してたんです。……あの… 失礼ですが、あなたの幸薄気な雰囲気が、われわれの探していたイメージにぴったりなんですが………………       。』
その男は
富貴子の横にいた健太を
もう一人の男に相手をさせながら
言葉巧みに
富貴子に美味しい言葉を並び立てる。


…………


どれだけの時間が過ぎたか
少なくとも
1時間以上は経過していたはずだ
富貴子の目の前のアイスコーヒーが
氷が溶けて
コーヒーが薄くなっていた。


『分かりました。私…AV出ます』

富貴子は
男たちの目を見つめて
覚悟を決めた瞳で答えた。

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