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エロース …ときめき探求物語

第11章 夏の夜のアヤマチ …隠されてたトラウマ

―――
咲は思った…
目の前に突きつけられた真実に

『私が、いままで満から求められたオーラルな行為に心がちょっとだけ拒絶していたのは、ユタカがあの夏の夜に私にそんなことをしたからだったの?………』

満…
ごめんね…
寂しかったね………

――――『咲ちゃん、大丈夫?心壊れそうじゃない?』
エロースの声が
咲の耳元に届いた


咲は
エロースの呼び掛けに答えずに
考えていた…

満は私の無意識なオーラルの触れ合いへの拒絶を
ずっと受け止めてくれてたのかな?
例えば
ディープキス
例えば
身体を舐められること
例えば
フェラやクンニ…

私はウサコちゃんとめぐりあい
寺門さん
辰蔵さん
鎗田井さんとのふれあいのなかで
そういう行為の喜びも
分かるようにはなってきたけど…

満はそんな私への不満みたいなものから
だんだん私とのふれあいを
求めなくなっちゃったのかな?

―――
なら私のなかの
潜在的なトラウマを取り払わなきゃ!!
でも相手はユタカ……
従兄の優しいお兄ちゃんとしか
思ってなかった相手…

そんなユタカと
あの夏の夜の再現をして
トラウマを払拭できるのかな?

怖いよ…

でも…………
やってみる!!

それが私と満の
性生活を満ち足りたものにできるのなら…。

それに
14年間
私とは違い自覚できるトラウマに苦しんだ
ユタカをも救ってあげられるのなら…。



―――『ウサコちゃん!! ウサコちゃんの判断で私の口に【夢違いキャンディ】を放り込んで!!』

咲は
エロースにそう囁くと
目の前な豊に
『ユタカ… そろそろ14年前の私たちから卒業しよっか………。』
と呟いて
今度は咲から豊の唇に
そっと唇を重ねた。

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