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エロース …ときめき探求物語

第9章 禁断ノート

咲は
その男の
住所をメモり
連絡先のケータイ番号をメモる…。

『あ…。最後にお名前をお願いします』
と尋ねた。

―――『あ、はい。名前は鎗田です。鎗田井
【ヤリタイ】です。鎗田井可成【ヤリタイ カナリ】といいます。よろしくお願いします。』
と答えて
電話を切った…。

ところが
肝心の咲のボールペンのインクが出にくく
咲は名前をメモできなかった。


もう…。
こまったな…。
でも名前は覚えておいて
おうちに買えったら
メモしておこう。

そう咲は判断して
テオーリアをでて
キコキコと自転車で家路についた。

―――鎗田井さん

キコキコ……

―――鎗田井さん、ヤリタイさん。

キコキコ………

―――えっと、鎗田井さん、ヤリタイさん。
確か下の名前はカナリさんだっけ。
ヤリタイカナリさん。

キコキコ………。

元来生真面目な咲は
インクぎれて
メモできなかった
その男の名前を自転車をこぎながら
反復していた。


『家についたら、まず紙に名前をメモしないと』

咲は
そう呟いて
帰宅した。

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