びゅーてぃふる ❦ ふれぐらんす【気象系BL】
第9章 ❦ SPECIAL THANKS ❦ Vol.2
「雅紀さんっ! 見てください!
芽が出てるんです、ほらっ!」
「あっ。ホントだね」
慧が植えた鈴蘭の花が
幾つも芽を出していて、
「幸せの再来、早く咲かないかなぁ…」
自生したチューベローズの花の代わりに鈴蘭を植えたいと懇願したのは
他でもなく、花言葉を気にしての事だから
「きっと慧の願いが届くよ」
「ホントですかっ…?!」
「あぁ。すぐにでもね?」
「…?」
今夜、皆に報告があると伝えた
その為に特別なゲストも呼んでる
きっと慧も喜ぶだろう
「楽しみだなぁ…」
「鈴蘭が咲くのが?
それとも、和也と智に会えるのが?」
「もちろん、両方です!
それから、雅紀さんの報告も!」
「なんだよ、俺のはついでみたいじゃんか!」
「そんな事っ…!」
慌てて否定する慧が可笑しくて
ちょっと意地悪だったかな?
皆の幸せを願う慧だから、きっとこの報告を誰よりも喜んでくれるはず
だけどね?
そろそろ自分の幸せを考えてもいいんだよ…?
「わかってるよ。怒ったフリしてごめんね?」
叱られた仔犬みたいな顔をした慧の髪をワシャワシャと撫で回した
「ぼっ…僕は犬じゃないですってばっ…!」
「うん、慧はどっちかっていうと猫だよね?」
「猫でもありませんっ…!」
プリプリと怒る慧が
やっぱり、可愛い。