君がいるから~Sweet Life~
第2章 w
「お疲れ様ー」
家に着いてすぐに
待ってました、とばかりに冷蔵庫からビールを取り出し
足を投げ出して座る翔ちゃんにそれを渡す
「お、サンキュ」
俺も、その隣に胡座を掻いた
ほぼ同時にプルタブを開けて
何も言わないで、缶を軽く合わせると
咽に流し込んだ。
特に何を喋る訳でもなく、苦味を楽しみながら
とりあえず付けたテレビを、何となく目で追っている。
「ねぇ、智」
「ん?」
翔ちゃんに呼ばれて、目だけをそちらに向けた。
「傍に…来てよ」
「横にいるじゃん」
何言ってんの?って感じに首を傾げたら
「ここに、来て」
投げ出している足の間を、翔ちゃんが差し示した
「え…」
思わず赤くなる俺に
「来て?」
にっこりと…だけど、拒否はさせないと言わんばかりの眼差しを向ける。
「…しょうがないなぁ」
渋々、と言う感じで腰を上げた。
望み通りに、翔ちゃんの足の間に移動して
背中を向けてそこに腰を降ろした。
座ったらすぐに、後ろから抱き締められる。