君がいるから~Sweet Life~
第3章 e
いつもの水曜日
二宮と一緒に、得意先に回ってから
会社に戻る前の「内容確認」と言う名の休憩時間
ランチタイムを過ぎたファミレスは、そこそこ落ち着いていて
通されたソファー席に座ると
少しだけネクタイを緩めて、ひと息ついた
二宮も、ネクタイこそ緩めないものの
リラックスした顔になる
…仕事モードから、解放された表情は
一気にあどけなくなっていた
「なあ、二宮」
「なんですか?」
ドリンクバーから持ってきたアイスティーのグラスの中を、ストローでかき混ぜながら
目線だけ俺に向ける
「飯って炊くの失敗しない?」
「は?」
何言ってんの?って顔してる
「炊飯器の水加減、難しくない?」
「全然」
…今、こいつ絶対「バカじゃねぇの」って思ってるよな
でも、こんな事話せるのって他に思い当たらないんだから仕方ない
「それがうまくいかないんだよ…」
「意味分かんないんですけど」