君がいるから~Sweet Life~
第3章 e
まだ、智は帰ってきていない家に先に着いて
部屋着に着替えたら
向かうはもちろんキッチン
智の顔を浮かべながら
慎重に慎重に、擦り切り2杯の米を釜に入れる
研ぐ時も、智の顔
何もないテーブルに、水平に置く時も智の顔
…何だか俺、ヤバイ奴じゃねぇか?
なんて我に返ったりもしたけど
今日は驚かせるって決めたんだ
二宮に教わった「櫻井さんでも(つまりは誰でも)できる簡単炊き込みご飯」
これを作る
智の為に
買ってきたじゃこを適当に釜に入れて
おぼつかない包丁捌きで、生姜を何とか千切り
醤油と酒を、先に大さじ2杯きちんと測って先に米に掛けて
その上から水を2合のラインまで、瞬きを忘れてゆっくりと入れていく
軽くかき混ぜて、スイッチオン
頭の中では
教えてくれてる二宮の映像と
笑顔の智がぐるぐる回っていた