君がいるから~Sweet Life~
第3章 e
ちょっとドキドキしながら、炊飯器を開けた
醤油の香りが美味しそう
…大丈夫だよな
しゃもじを握り締めて、中に差し入れた
よっしゃああああ!!
「智!上手く炊けてる!」
「本当っ!?」
テーブルにおかずを並べてた手を止めて、智が走ってくる
「どうだ!俺のじゃこ飯!!」
得意気に言った俺を、智が盛大に笑う
「すごいじゃん、翔ちゃん…」
でもさ、と俺の目を見る
「え?」
…俺、何かやらかした?
少し不安になる
そしたら智は、笑いすぎて目尻に浮かんだ涙を拭いながら
「…安上がりじゃね?これで大喜びってさ」
なんて言うから
「確かに…」
俺も思わず吹き出して、笑いが止まらなくなった
「「いただきます」」
二人で手を合わせる
俺のご飯を一口食べた智が
「翔ちゃん!旨いよこれ!」
目を丸くした
その顔が嬉しくて、俺の目尻が下がった