黒猫と竜は白薔薇に恋をする
第2章 白薔薇の騎士
庭園を歩くこと十分経過。しかも景色は変わらない。ずっと、白い。
「白薔薇咲きすぎ。ここ広すぎ」
「確かにねぇ。オレの住んでる渓谷には全然花咲かないしー」
「ここのシンボルだからな。枯らさないよう、特別な魔力で保護されているんだ。確かに、宮が一番広くて迷宮だな。僕でさえ覚えるのに一週間かかった」
カナタがこそっと暁に耳打ちする。
(それでも一週間だって)
(俺はそれよりすぐ覚えられるけど)
(相変わらずの負けず嫌いだね)
暁は無愛想、負けず嫌いーーそして、女嫌いで有名な話である。しかし見た目がいいため、損をすることはない。学園内の上から下まで、カナタ同様ファンクラブが存在する。
それからアヤメが庭園内にある建物を順番に説明してくれた。
「庭園内の奥には図書館。騎士が学ぶために創設されたものだ、それから図書館より少し離れたところに露天風呂がある。ここは騎士も使用可能だが、許可を取らないといけないから気をつけるように。それからーー」
庭園内を一時間以上もかけて歩き、やっと本宮にたどり着いた頃ーー騎士、には見えない少女が立っている。
困り果てた様子で。
「白薔薇咲きすぎ。ここ広すぎ」
「確かにねぇ。オレの住んでる渓谷には全然花咲かないしー」
「ここのシンボルだからな。枯らさないよう、特別な魔力で保護されているんだ。確かに、宮が一番広くて迷宮だな。僕でさえ覚えるのに一週間かかった」
カナタがこそっと暁に耳打ちする。
(それでも一週間だって)
(俺はそれよりすぐ覚えられるけど)
(相変わらずの負けず嫌いだね)
暁は無愛想、負けず嫌いーーそして、女嫌いで有名な話である。しかし見た目がいいため、損をすることはない。学園内の上から下まで、カナタ同様ファンクラブが存在する。
それからアヤメが庭園内にある建物を順番に説明してくれた。
「庭園内の奥には図書館。騎士が学ぶために創設されたものだ、それから図書館より少し離れたところに露天風呂がある。ここは騎士も使用可能だが、許可を取らないといけないから気をつけるように。それからーー」
庭園内を一時間以上もかけて歩き、やっと本宮にたどり着いた頃ーー騎士、には見えない少女が立っている。
困り果てた様子で。