黒川とぱんぱかぱん!
第1章 何者なのじゃ?
「ななかちゃん、なんかあったの?」
奥から4、50代の男性と女性が出てきた
魔女の宅急便に出てくるパン屋のおっちゃんとばたこさんみたいな
パン繋がりで
ジブリとアンパンマンの異色のコラボレーション言うてる場合かよ
「この前話したクラスの男子です!
閉店になる前に急いで来たみたいで…」
「あ、いや、だから」
「君が…!本当にありがとう!」
店長の方はそう言うと俺の手を両手でつかみ
ぶんぶんと嬉しそうに振った
「あ、どうも…それで俺フランスパ」
「もう!そんなにしたら手、痛めるでしょ!」
ばたこさんは店長に少し怒ると
ごめんねと店長は手を離した
「ほんとに夫がすいません…」
「店長が夫
夫婦で店やってるんだ」
パン屋でも戸籍上でもコラボしてますやん…
「そうなのよ。それでとついで来たのは良いものの私、
米の子って書いてよねこって言うからややこしくてややこしくて」
「あっははっ!私も最初はビックリしましたよ!
店長、どうせなら米屋に変えましょう!って何度思ったか」
「でもこれがウケるから皆米子の事も
店のことも覚えてくれるんだよな
本当に米子には頭があがらないよ」
確かに覚えたくなくても覚えるな
こんなインパクトのある事あるか?
つか、こんなとこで話してる場合か?
そろそろまじで買いたいんだけど…
それにもう閉店間際なんだろ?
俺の事情が通らないなら…
「あの、もうすぐ閉店なんですよね?
俺すぐ帰りますから」
「あらー、せっかくななかちゃんのお友達が来たのに来て早々追い出せないわよね?」
「いや、本当に大丈夫なんで。ま、また来るんで!」
むしろもう長居したよ!
「じゃあ約束よ、いつでも待ってるから」
「今度はもっと早く来なさい
焼きたて用意して置くからね」
はぁ…やっと終わる雰囲気だ…
「あ、そうだななかちゃん」
「はい?」