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黒川とぱんぱかぱん!

第2章 黒川虹花は救世主





家の玄関を開けると
靴が二足あった


やっぱ二人とも帰ってきてる…


それでも俺は急いでキッチンへ向かった


「悠ちゃん!どこ行ってたの?
料理出来てるのに誰もいなくて…


って…まあ、どうしたの?そんなにパン買ってきて」


「買ってきたっていうか…まあ、ちょっとね。」


「あ、まるるんべーかりん知ってるのか?
あそこのパンうまいんだよな。たまにお昼に買って食べたりするんだ」


「父さん!」



振り返ると俺の会いたかった人がいた


父さんもまるるんべーかりん好きなんだ…良かった買ってきて…


「ちょっと待ってて!フランスパンでガーリックトースト作ったら一緒に食べよう?」


「また待たされるのはなぁ…」


あ、これはやっぱ食パンで良かったフラグ?


「だから、父さんも一緒に作るかな」


…!

「おう!俺もそうしたい!」


嬉しい
一緒に食事するのも嬉しいけど

料理出来るなんて初めてかもしれない…!


「あら?じゃあママも手伝おうかしら?」

「ママは座ってて!」「母さんは座ってて!」


「え!なんで!ママだけなかまはずれなの?」


「「いやぁ…レディーファーストだよ…」」


「…怪しい……」


「そんなことないよなぁ悠真?」「そんなことないよなぁ父さん」


俺達は笑顔を浮かべるも
冷たい視線が刺さる

「さあ!早く作って早く作ろう!
はい、ママはこれ頼んだ!」

「あ!ちょっと!」

父さんはフランスパンじゃない方の袋を俺から奪って母さんに預けると

俺の腕をつかんでキッチンに連れてこられた


ちゃんとうまそうなものが作れて
トーストとはいえ、俺も久々に父さんの手料理を食べれて

その日の夕食は幸せだった


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