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第11章 忠犬にの


s side


視線を合わせたくて泳がせたら見事に智くんと潤と絡まってその瞬間、吹き出しそうになった。


だって、おかしいよ。


いや…微笑ましいんだよ?


にののあの顔。


そんな顔晒すの?


ま、いつものことだけど。


「気持ち悪いー。」


なんて言ってるけど、
その顔で言ってもなんのことやら。


雅紀はさぁ。


あれは天然なの?


無意識


無自覚


ツンデレじゃなくてなんて表現すればいいんだろ。


「にのの頭のカタチ…」


って、ご丁寧に両手で型どって。



俺の相葉くん



普段そう言ってはばからないほどの大量に投下される雅紀のエピソード。


いいヤツ、おもしろい、可愛い、一生懸命、


エトセトラ…


エトセトラ…


雅紀のことを好きすぎて感覚が麻痺してるのか、はたまた考えることさえ、どうでもよくなるのか、
これでもか!と毎回飽きもせず口にする。


俺たちはもとより、
きっと周りのスタッフもファンの人も、


出た!


って域だし。


当の本人はいつものこと、と、ひょうひょうとしてる。


にのの重い(重過ぎる)深い(果てしない)愛情を、くふふ、と一笑いで交わす雅紀。


その何回、何十回と放たれる相葉愛は雅紀が何気なく放つ1回と等しいとさえ思えるから不思議。


バランス取れてるの??
(たぶん取れてる)


でも至ってこのふたり、


微笑ましい。


平和。


いつものふたり。


今日もしあわせのお裾分けをありがとう。


楽屋へ戻るとご機嫌な二宮くんがそわそわと帰り支度をしている。


後から入って来た智くんと潤にさっきと同じように視線を合わせて、やっぱり笑いそうになる。


雅紀が入って来たら、そわそわにわくわくが加わって。


でも本人は悟られないように平静を装ってるつもり、きっと。


「にのー?
準備済んだ?
帰ろ?」


「…うん。」


だるそうな素ぶりでペタペタと雅紀のそばへきたにの。


俺には見える。


ブンブンと振り回してるシッポが。


かわいいな


いつものように、ふたり仲良く帰る姿を見送る俺たちは最後にもう一度、微笑み合った。



*しやがれ
相葉くん、二宮くんのシルエットを即答の萌え…より*

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