ラブリー
第3章 la vie en rose
「ね…いいの?」
「は?なにが?」
こんもりな布団の中に話しかける。
実は気になって仕方なかったことを素直に言葉に出した。
「俺が…その…
…抱いて?」
小さい声で、うん、って言ったにの。
マジ!
テンション上がって飛び上がりそうになったってば。
布団を捲ってにのの顔を見た。
「いいの?」
「…いいよ。
俺も考えてたんだ。
俺はどうしたいのか…」
「へへ、そりゃね。」
「最初はまあ…男だからさ、普通に突っ込んでるのを想像した。
でももしされる側だったら?って考えたら…」
「考えたら?」
「お前に…その…
触られたりするの、悪くないっていうか、」
ああ。
もううれしすぎて泣きたくなってきた。
そっと胸にくっつけて髪の毛を撫でる。
肩や腕にも滑るように手を這わすと、ふふふ、ってにのが笑うから。
「ん?」
「こんなん、されたかった、
…かも。」
もう。
ダメだ。
にのの顎をくいっと上げて可愛いことを告げる口を覆った。
「二択だったんだ?」
「まあそう。」
「ごめん!
俺、一択だった!」
「ははっ!」
ふざけて言うとふざけて笑う。
笑い出した俺たちはムードもなにもない。