無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

n


あんなこと言って。


俺って怖いもの知らず？

それとも愛のなせる技なのか？

頭からシャワーを浴びながらさっきの相葉くんの顔を思い浮かべて。

鳩が豆鉄砲…

ふふっ。

マヌケな顔してた。

今まで、いろんな顔を見てきたよ。

バカみたいに大口開けて笑ってるのとか、たまにしか見せない怒ってる顔とか。

真剣な表情や、いたずらする時のこどもみたいな目も。

最近は俺のことをせつなげに見る目やデレた顔。


俺もあんな顔してんのかな。


俺…この後どんな顔するんだろ。

…あいつは？


きっとまだ知らない顔、見たことない表情を目の当たりにする。


ぶる


ドキドキして変な震えがした。





寝室に戻ると間接照明の灯りの中、布団を被って横になってる相葉くん。

もしかして寝てる？

疲れてんのかな…

待たせ過ぎた？

膝をついて四つん這いでそろそろと近づいて顔を覗く。

まぶたを閉じてるその端正な顔立ちに思わず見とれてしまった。

シャープな顎のラインや、スーッとした鼻筋。

綺麗な顔してんだよね、この人。

じーっと見てたら体を包み込まれた。

「にの…」

「ごめん、待たせた。」

布団越しだったから邪魔くさそうに足で蹴飛ばすと改めて体にまわされた腕。

その腕に頬を寄せて目を閉じてみた。