ラブリー
第4章 la vie en rose 2
「だって、ああいう仕事受けると俺、嵐じゃないじゃん。普通に俳優になればいいって話だよ。
あっちでもずっと思ってた。これで満足っていうか…これ一生懸命やって帰ろう。日本でみんなと一緒に嵐やりたい、って。」
「にの…」
「あれから取材でも散々言ってきたけどさ。嵐に戻れるかも不安だった。俺の居場所ある?って。」
そうだ。
俺もいくつも目にした。
にのこんなこと考えてたんだ、って。
「ちゃんとあっただろ?」
「ふふふ、うん、あった。」
「たぶん、俺たちだって多少は思うことあったよ。ハリウッドスター?じゃん、にの。
今まで通り接していいのか、って。」
「うそ?そんなこと思ったの?」
「うん、みんな思ってたはず。
でも思ってたけど…帰ってきたにのの顔見たら…吹っ飛んだよねー。」
「くはっ!吹っ飛んだのかよ。」
「理屈じゃないんだよねー、これって。」
クスクス笑うにのを抱き寄せる。
「それに…
お前と離れんのもう嫌だ。」
……
泣きそう…
思いがけない最高の言葉をもらって、ぎゅーぎゅーに抱きしめた。
「俺も。」
ひとことつぶやいて熱いキスを贈った。
end.